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生産システムの進化論―トヨタ自動車にみる組織能力と創発プロセス

生産システムの進化論―トヨタ自動車にみる組織能力と創発プロセス

藤本 隆宏(著)

定価: ¥ 5,460
販売価格: ¥ 5,460
人気ランキング: 139814位
おすすめ度:
発売日: 1997-09
発売元: 有斐閣


理論的かつオリジナルデータ
本書の特徴をあげろといわれたら、私は特に次の2点を強調したい。第1には、理論が明示されていることである。第2には、圧倒的な情報量である。しかもそのほとんどは、著者(とその研究仲間)が集めたオリジナルなデータである。
 製品開発の研究は大量にあるが、どのように説明するのかを明示しているものは稀である。製品開発といえば、それはヒット商品の作り方を解説すると考えるのもわからないではないが、本書はそうではない。ヒット商品を解説した本はほとんどが、2つぐらいの説明に落ち着く。それらは、消費者ニーズに適合と技術的ブレークスルーである。しかし、本書はそのような説明をしない。開発・生産というのは(広義の)情報転写の技術なのである。情報転写は、密度の濃さ(質)と速さ(量)でその成果が決まってくる。こういった理論を明示していることが本書を類書から際立たせている。情報転写技術という解釈を与えることで製品開発論は、ヒット商品を作ること(だけ)ではなく、競争力となるのである。その点に、これまであまり紹介されることのなかった、しかし経営学会では非常に重要な理論である、進化(経済)論を使っている。これによって、われわれは開発・生産といった一連の活動が、さまざまな経路を持って発展していくことが理解される。その経路に独自の競争力の源泉があるのである。
 第2に、オリジナルなデータによる実証である。企業が歩んできた独自の進化経路(いわば企業の歴史である)が競争力の源泉になることを、ありとあらゆるデータを集めてきて示そうとしている点である。この努力は圧倒的である。しかも、それらのデータが単に表になっているのではなく、できる限り図にしている点が読者の読みやすさに貢献している。著者だけでなく、これだけの情報量を入れ込んだ出版社の努力もすばらしい。  現代経営学の到達点のひとつである。読んで、感動されたし。

■トヨタ自動車の歩

トヨタ自動車の創業者『豊田喜一郎』氏は1894 年(明治 27 年)に生まれました。

自動織機の発明家として歴史に名を残す『豊田佐吉』氏の「研究と創造」の精神を受け継いだ息子の『喜一郎』氏は、当時の日本ではまだ未知の分野であった自動車づくりに生涯をかけました。

そして苦心の末、1935 年(昭和 10 年)に 「A1」型試作車を完成させました。

かくしてトヨタ自動車の歴史はこのようにして始まりました。

そして、1999 年(平成 11 年)10 月、トヨタ自動車は、国内生産累計1 億台を達成しました。

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